スーツは中身が大切!毛芯(キャンバス芯)と接着芯
麻布十番駅徒歩1分のオーダースーツIKSTILE(イクスティレ)の大竹です。豊富な生地の知識、個性を活かすイメージ提案で、あなたの理想の姿・あなたらしいスタイルの確立のお手伝いをします。
スーツの骨組みとなる毛芯
今日は普段は見る事のないスーツの内側をお届けします。
スーツやジャケットを着る上でとても大切なことなのでぜひ最後までお付き合いください。
スーツで最も大切なのが中身・構造です。
建物でいう骨組みにあたるベースがスーツにもあります。
それが毛芯(キャンバス芯)
と呼ばれるものです。
スーツの表地と裏地は見てわかりますが、中の構造まではわかりません。
建物の中の構造や骨組みがしっかりしていないと、時間がたったときに欠陥が出るのと同じように、スーツも中身が大切です。
もともとスーツは表地と裏地の間に毛芯と呼ばれる馬毛素材のキャンバス芯
が挟まれています。
簡単に言うと、馬の尻尾の毛を加工したものです。
仕立てのジャケットの場合はこの毛芯がハ刺しで表地に縫い付けられます。
毛芯(キャンバス芯)と接着芯の特徴
毛芯があることでスーツの立体感やハリを保ってくれ、形崩れを防いでくれます。
さらに着ていくうちにこの毛芯が徐々に体にフィットするように型を自然と整え、フィット感が増していきます。
肩や肘などの動きや伸び縮みにより、革のようにスーツが呼吸をし、より自由な動きを実現させ、同時にスーツの寿命をも延ばします。
当然、IKSTILEで仕立てるものは全て毛芯がしっかり使われています。
毛芯の良さがなんとなく伝わったでしょうか?
毛芯を下の写真のようにジャケットの裾の方まで手作業で縫い付けるので、
手間もコストもかかります。
ところが、既製のスーツは基本的に毛芯ではなく接着芯というものが使われています。
わかりやすく言えば、熱が加わると接着する“のり”のような樹脂をポリエステルにほどこしたものです。
安価で手間がかかることがないので量産に向いていますが湿気に弱く、襟周りがヨレヨレになりやすいです。
というのも接着芯はアイロンの熱などで一気にぺたりと表地に貼り付けるイメージなので、一見綺麗ですが長く着たときに生地がよれてきます。
問題は雨やクリーニングです。
のりで接着している関係で雨やクリーニングなどの湿気に弱いので接着剤が剥離して、襟の表面が水ぶくれのように凸凹&ヨレヨレになることがあります。
立体感がなくなるんですね。
販売時は新品のため売れてしまうので、世の中の既製品はほとんどが接着芯です。
例外的に、下記の写真のシアサッカーのような薄手の夏向けの生地の場合や
とにかく軽くサラっと着たい方には接着芯で仕立てるのもいいと思います。
ただ、仕立てる側の観点から総合的に形や立体感を長く保つ意味でスーツには毛芯がオススメです。
毛芯か接着芯かはどう見分けるか?
これはなかなか難しいです。
ベストは店員に聞くことがですが店員も知らないこともあります。
1番良いのはオーダーすることです。
なぜならジャケットやスーツはオーダーに勝るものはないからです。
その上で強いて見分け方を挙げるとすれば襟を折り返してみた時に、
・何の抵抗もなく折り返せたら接着芯
・抵抗または弾力を感じたら毛芯
というのが見分けるポイントです。
接着芯は襟がペラペラで高級感や立体感に欠けます。
どうせ着るなら高く見えたり、高級に見せたいですよね。
長くなりましたが、スーツの内側が大切、そして毛芯の理解ができましたでしょうか?
まとめると
・スーツを長く着たいなら中身(見えない部分)が大切
・立体感、ハリを保てて身体に馴染んでくるという理由で毛芯(馬の尻尾を加工したもの)がオススメ
・接着芯は安価で手間がかからないがヨレヨレになりやすい
・夏生地や軽さ重視のジャケットの場合は接着芯でも◯
です。
スーツも奥が深いですよね。
男はジャケットで格が上がりますから、安きに流れるのではなく質の良いものを長く着てもらいたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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